中小企業におけるデータ活用:データ活用方法

データ活用方法の流れ

これまで「中小企業におけるデータ活用」について、経営環境、技術動向、データ活用事例、中小企業はどうするべきか、といったテーマでお話ししてきました。今回は、データ活用を具体的にどのように進めればよいのかについてお話しします。

大きな流れは以下のとおりです。

まずは目的設定です。やはり、経営診断を行い、目的や目標を設定することが正攻法になります。経営診断で何を行うかについては、いずれお話ししたいと思っていますが、今回はデータ活用方法を中心に扱うため割愛します。ここでは、目的や目標が設定されているという前提で話を進めていきます。

イメージとしては、料理をする工程に例えると分かりやすいかと思います。

材料を集める(データ取得)→材料を整理する(データ整理)→下ごしらえをする(データ整理)→仕込みをする(データ整理)→調理する(可視化・分析)

データ取得

最初は、材料を集める工程です。目的に合わせて、どのようなデータを取得できるかを検討します。

中心となるのは、企業内にあるデータです。データ整理のところでもお話ししますが、データは継続的に取得され、標準化されていると扱いやすくなります。

そういう意味では、システム内に蓄積されているデータが望ましいのですが、多くの企業では、システム化されていないデータをExcelで管理していることが少なくありません。

よく、秘伝のように受け継がれているExcelファイルがあったりします。しかし、それ以外のデータは、一時的に担当者が作成し、担当者が変われば別の形になっていくことが多いため、継続的に標準化されたデータとして残っていないケースが多く見られます。

もう一つ重要なのは、存在しないデータは作成するということです。上の図の一番下にも書いていますが、データを取得する手段はいくらでもあります。

今であれば、生成AIがデータ作成を強力にサポートしてくれるため、以前よりも非常に取り組みやすくなっています。

「うちはデータがないからな……」

そう言う方も結構いらっしゃいますが、ないなら作りましょう!

データ整理

さて、次の工程は、いかにおいしい料理を作るかを左右する下ごしらえや仕込みの工程です。

先ほど企業内にあるデータの話をしましたが、これらを1か所に集め、使いやすい状態を作りましょう。理想は、データを正規化し、以下で述べるデータ加工を行ったうえで、データベースに蓄積できる環境を構築することです。

次はデータクレンジングです。データには「表記ゆれ」と呼ばれる、同じ意味や言葉であるにもかかわらず、異なる文字や表記が混在している状態が存在します。これを解消したり、データの重複を削除したりします。

最後に、データを分析可能な形に変換します。

※以下の3つは、必ずしも順番どおりに行うものではないことにご注意ください。

可視化・分析

可視化

以下は経営ダッシュボードをイメージしたものですが、このように分かりやすく可視化を行います。

ツールとしては、Tableau、Looker Studio、Power BIなど多くの選択肢があります。予算や必要な機能に合わせて選択していただければと思います。

分析

分析屋としては一番面白い領域ですが、専門知識が必要になるため、知識がない場合は専門家に相談した方がよいかもしれません。

統計手法

統計手法は伝統的な手法であり、理論が体系化されています。

その意味では、説明責任に強いというメリットがあります。一方で、応用力にはやや弱さがあると感じます。

AI手法

AI手法は、近年よく使われるアプローチです。データを学習させて最適なモデルを作り出し、そのモデルを新たなデータに適用します。精度が高いという特徴がある一方で、「なぜそうなるのか」という点については説明力が弱いというデメリットもあります。

意思決定

最後は、データを活用して作成したモデルを予測に使い、シミュレーションを行うことで意思決定に役立てる工程です。

これは、モデルにかなりの信頼性がなければ難しい領域です。それでも、最終的にはここまでできることを目指しましょう。

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